【矯正ブログ】固定式と可撤式拡大装置

2024年09月07日

【矯正ブログ】固定式と可撤(かてつ)式拡大装置 の特徴

 

上あごの骨を拡大する装置は2種類あります。

患者さん自身で取りはずしができる可撤式拡大装置と、取りはずしができない固定式拡大装置です。

可撤式拡大装置は、確かに固定式よりも手軽に扱うことができます。
歯磨きがしやすくて衛生的ですが、歯そのものに力がかかるだけで、上あごの骨そのものを拡大させる効果は期待できません。

取りはずしができる装置を使った、治療前後の歯型の写真を比べてみましょう。

①の写真では、一見上あごが広がったように見えます。

しかし、治療前後の歯型の模型を後ろから撮った②の写真を見てください。
歯が並ぶ場所はできましたが、大臼歯が外側に大きく傾いているのがわかります。
これでは下の歯とうまく咬み合うはずがありません。

しかも、肝心な上あごの天井部分の幅は、治療前後でほとんど変わっていません。
つまり、天井裏にある鼻も狭いままなので、鼻呼吸がしづらいままで、口呼吸も改善できません。
上あごの骨を広げるには、正中口蓋縫合にキログラム单位の大きな力をかけることが重要なポイントになります。
自分で取りはずしができないスケルトンタイプの固定式拡大装置は、その点において優れているわけです。

 

 

「口呼吸はわざわいのもと 小児矯正歯科治療の現場から」保田好秀著より抜粋

岩坂歯科医院
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